マイクロソフトは11月27日,同社のスパム・メール対策技術に関する説明会を開催した。米MicrosoftのBill Gate会長兼チーフ・ソフトウエア・アーキテクトがCOMDEX 2003で発表した技術(関連記事)を,日本で詳しく説明したもの。このスパム・メール対策技術は「SmartScreen」という名称で,既に同社の電子メール・サービス「Hotmail」やメール・クライアント・ソフト「Outlook 2003」に実装されている。また来年春にはExchange Server 2003にも追加する予定。
SmartScreenは,Hotmailに寄せられた500万通に及ぶスパム・メールを分析して開発したという。Microsoftは,Hotmailユーザーが「迷惑メール」というフォルダに分類したメールを大量に収集し,スパム・メールのデータベースを作っている。そのデータベースを元に,スパム・メールの傾向を分析し,未知のスパム・メールがきた場合でも,そのメールがスパムかどうか判別できるヒューリスティックス(経験則)方式のアルゴリズムを開発した。Hotmailには2003年4月から,このスパム・メール阻止エンジンが組み込まれている。
同社では「MSN 8」やOutlook 2003,Exchange Server 2003にも,このスパム・メール阻止エンジンと,ウイルス対策ソフトにおける「パターン・ファイル」に当たるスパムの「パターン・ファイル」を提供する。このパターン・ファイルを更新し続けることで,常に最新のスパムにも対応可能にする。
Exchange Server 2003のアドオンは「Microsoft Exchange Intelligent Message Filter」という名称で,Exchange Server 2003のライセンスをソフトウエア・アシュアランス方式で購入したユーザーにのみ提供する。Exchange Intelligent Message Filterは,スパム・メールのヘッダーに,そのメールの「スパム度」を示す情報を追加する。Exchange Serverの管理者は,このスパム度を元に,各メールについて「受け取りを拒否する」「削除する」「保管する」「ユーザーのメールボックスの迷惑メール・フォルダに送信する」といったルールを作成して,スパム・メールを阻止する。