日本IBMは7月30日,米Advanced Micro Devices(AMD)の64ビット・プロセッサ「Opteron」を搭載するPCサーバー「eServer 325」を発表した。Opteronの採用は,大手サーバー・メーカーでは初めて。同社はeServer 325で,科学技術計算などクラスタリング構成で利用するハイパフォーマンス・コンピューティング市場をメインに狙う。価格は39万8000円から。「同等性能のItanium 2搭載機と比較して実売価格は約3分の1」(同社システム製品IAサーバー&PWS事業部 岩井淳文事業部長)とコストパフォーマンスの高さを強調する。出荷開始は10月。

 OpteronはAMDが開発した「AMD64」アーキテクチャを採用する初めての製品(既報)。AMD64では,既存のIA-32プロセッサ向けに開発された32ビット・コードのOSやアプリケーションがそのまま動作する。また,専用の64ビットOS上で既存の32ビットまたは新たに開発される64ビット・アプリケーションを動作させることができる。米Intelの64ビット・プロセッサであるItaniumシリーズとの互換性はない。

 eServer 325は厚さ1U(約45mm)のラックマウント型サーバー。CPUは動作周波数が1.4Gまたは2.0GHzのOpteron 200シリーズを最大2個搭載する。メモリーは最大12Gバイト。Ultra320 SCSIインターフェースを標準で搭載し,ホットスワップ対応のハードディスクを2台まで内蔵できる。稼働するOSは,32ビット版のWindows Server 2003,Enterprise Editionのほか,SuSE Linux,Turbolinux,Red Hat Linuxなど。マイクロソフトが年内に提供予定のAMD64用Windows Server 2003にも対応する。

(茂木 龍太=日経Windowsプロ)