このほど米Microsoftにより開催されたフィナンシャル・アナリスト向けミーティングでプラットフォーム担当グループ・バイス・プレジデントであるJim Allchin氏は,6月初めに報道されたLonghornのスケジュールを改めて繰り返した(該当記事)。

 「現在,Longhornは次のステップへ進むために設計をプレビューする準備ができたところだ。パートナやISV(独立系ソフトウエア・ベンダー),IHV(独立系ハードウエア・ベンダー)の人々とわれわれが行っていることを共有したい。現在,正規のビルドができている。次の大きなイベントは10月の終わりに開催されるPDC(Professional Developer Conference)である。そこでわれわれは,開発者に向けて複数のCDを配布する。これを使うことで開発者たちはWindowsにどんなすごい機能が盛り込まれるのか分かるようになる。来年遅くには開発コード名でLonghornと呼ばれるWindows技術の最初のベータ版を広く配布する予定だ。Bill Gates会長が述べたようにLonghornウエーブと呼べるような複数の製品がある。ただし,ここでいうLonghornはクライアント製品についてである」(Jim Allchin氏)。言い換えると,Longhornは2005年の出荷に向けて計画通り進んでいる。

 しかし,Longhornは本当に計画通り,2005年に出荷されるのだろうか。同社の公式見解は,変更がない部分もあるし,変わる部分もあるというものだ。第1に,Longhornのサーバー版を提供するということが公式に明らかになった。第2に同社の経営陣は,この製品がいかに複雑で大きなものであるかということを繰り返し始めた。

 Gates会長は,ミーティングの昼食時にこう認めている。「Longhornはちょっと恐ろしい。われわれは変化を起こしたい。それは広い範囲のアップグレードを引き起こすが,いくぶん遅れる可能性がある。それは非常に革新的で,何を入れて何を入れないかについてはやることが山ほどある。バラバラにして実現しようとしても,その1つが遅れただけで本当に深刻になる」。これを言い換えると,出荷日程については確かなものは何もないということだ。

(Paul Thurrott)