米ダラスで開催されている技術者向けセミナーTech・Ed 2003でMicrosoftのシニア・バイス・プレジデントPaul Flessner氏が同社基盤製品のロードマップを発表した。今回のものは3年強先の将来まで拡張されている。先月のWindows Hardware Engineering Conference(WinHEC)ではBill Gates会長やコーポレート・バイス・プレジデントのDavid Thompson氏がWindows OSのロードマップをそれぞれ提示した。Flessner氏のロードマップはそれと似ているが,OfficeやSQL Server,Exchange Serverの情報が加わっている。

 「このロードマップでは,われわれが非常によく尋ねられる重要なものを示した。2003年と2004年の分はかなり確実だ。すばらしい製品が(この2年間に)いくつも出てくる。既に出荷されているものもある。例えば,Windows Server 2003とVisual Studio .NET 2003が同時に提供された。(.NET) Frameworkと(.NET Common Language) RuntimeのコンポーネントがたくさんWindows 2003に入っているためだ」(Flessner氏)。

 Windows製品では,次期クライアントOS「Longhorn」(開発コード)が2005年に出荷される。そのフォローアップとなるサーバー製品「Blackcomb」(同)は2006年以降の提供になる。「Longhornについては既に一部機能がマスコミで報道されている。この製品は非常にエキサイティングで,ユーザー・インターフェースとストレージでブレークスルーを試みている。今後の数カ月の間にもっと多くのことが決まり,紹介できるようになるだろう。今後2~3年間のこととなると少し不確定なところがある。しかし3年後の2006年にはWindows Serverの次のバージョンを提供したいと考えている。われわれは今ちょうどWindows Server 2003を出荷して開発チームを解散したところだ。これからこの新製品の定義や機能を扱うところである。それらは2006年に製品とともに市場に投入する。また,Longhornに関するもの(補足機能)が多くある」(Flessner氏)。

 このほか,アプリケーション・インフラストラクチャやインフォメーション・ワーカー・インフラストラクチャ,オペレーションズ・インフラストラクチャに分類されて,各種製品の提供スケジュールが発表された。

 アプリケーション・インフラストラクチャ製品としては,BizTalk Server 2004,SQL Server次期版「Yukon」(開発コード)やVisual Studio .NET次期版「Whidbey」(同)が2004年に提供される。またVisual Studioの次の次のバージョン「Orcas」(同)や「Jupiter」(同)というeビジネス・スイートが2005年に提供される。

 インフォメーション・ワーカー・インフラストラクチャ製品としては,SharePoint Portal Server 2003,Exchange Server 2003,Office 2003,Project Server 2003,RTC Server 2003が2003年内に出荷される。Office for Longhorn,RTC Server v2,SharePoint Portal Server v3が2005年に提供される予定だ。Exchange Serverの次の次のバージョン「Kodiak」(開発コード)は2006~2007年に提供される。「Exchange 'Kodiak'は,既に知られているようにSQL Serverの上で動作するようになる。Webサービスと標準的なツールキットも組み込まれるだろう」(Flessner氏)。

 オペレーションズ・インフラストラクチャ製品としては,Systems Management Server(SMS) 2003が今年出荷される見込み。Microsoft Operations Manager(MOM) 2004とSystem Center Suite (SMS 2003とMOM 2004の組み合わせ)が2004年初めに,System Center v2が2006年に提供される。

 このロードマップをまとめてFlessner氏はMicrosoftのミッションが大変シンプルであるという。「Microsoftはソフトウエアの会社であり,われわれ全員はまさにそれを実践している。これについて迷いはない。われわれはハードウエアの会社ではない。キーボードやマウスなども提供しているが,それでもうかってはいない。サービス事業によってもうけることもない。コンサルティング部門には全世界で4000人の従業員がいる。彼らの仕事は早期に顧客と契約して,パートナ企業と協力してシステム・インテグレータを支援することによって,弊社のアプリケーションの構築を促すことにある。弊社のアプリケーションとこうした支援を使うことにより,パートナが確実にマーケットにソリューションを提供できるようにする」。