米連邦控訴裁判所が,Java訴訟に関する米Microsoftの控訴について審問を行ったところ,仮処分的差し止め命令がひっくり返ることが示唆された。同社はこの差し止めの仮処分命令によってWindows XPにSun MicrosystemsのJava技術を搭載するように求められていた(該当記事)。

 実際には「示唆」という表現は少し弱いだろう。米連邦巡回判事のPaul V. Niemeyer氏は「連邦地裁の(Motz)判事は筋道が立った決定をしていないと思う」と述べた。同氏は,MSとSunの議論を聞いた3人の判事の1人である。Sunの弁護人が議論を始めたとき,Niemeyer判事はすぐそれを切り上げさせ,差し止めの仮処分命令を出したFrederick J. Motz判事のように追及のチャンスを与えなかった。「私には連邦地裁の完全なミスのように思える」(Niemeyer判事)とまで述べている。

 こうしたことを考えると連邦控訴裁判所では,Motz判事の決定が覆る可能性が高い。絶対とはいえないが,ほぼ確実である。これまでMicrosoftの裁判にはいろいろな判事が携わり,言葉通りに受け取れない発言もあった。しかし,Motz判事の決定は,非常に論争を呼ぶもので,詳しい調査で持ちこたえるものだとは思われない。