予想通り,米Microsoftは今週,米Sun MicrosystemsのJavaテクノロジをWindows XPにバンドルすることを求めた裁定を不服として米連邦控訴裁判所に控訴した。バージニア州の第4連邦控訴裁判所に提出したMicrosoftの書類によれば,J. Frederick Motz判事が先月下した裁定には欠点があると主張している。Microsoftに履行命令を強制することが,すぐに取り返しのつかない損害を被ることをSunが示さなかったからだという。MicrosoftがJavaをWindowsに統合する作業を即刻開始しなければならないとの裁定をMotz判事は下したが,控訴裁判所はMicrosoftが控訴できるようにその裁定の履行を延期している。

 「我々はSunがこの履行命令を勝ち取る資格があるとは思っていない。この問題に関する地方裁判所の裁定にも遺憾の意を表する」とMicrosoftのスポークスパーソンは話す。「(裁定は)市場の自由な活動に対して不必要な干渉をしているし,公共の利益にも合致しない」。Sunは,MicrosoftがJavaと競合する.NETテクノロジをWindowsに無償でバンドルしているため,MicrosoftはJava環境に対して損害を与え続けていると主張している。

 Sunの弁護士は控訴の内容をレビューしており,控訴裁判所が発表したスケジュールに従って,3月7日までに対応する。一方のMicrosoftは3月18日までに,Sunの提出書類に対して対応しなければならない。Javaを巡る裁判のごたごたは,複雑で時間がかかりそうだ。控訴裁判所はMotz判事の示した履行命令を覆すことはできるが,仮にMicrosoftが控訴裁判所で勝訴したとしても,今年後半にはMotz判事の法廷でSunと向き合っているはずだ。もしMicrosoftが負ければ,裁判所は再びWindowsにJavaをバンドルさせるように要求してくるだろう。その後,Microsoftは2度目の控訴をするかもしれない。