米Borland Softwareは1月28日に,米Microsoftのアプリケーション開発/実行環境である .NET Framework SDK(Software Development Kit)の配布に関するライセンス契約を締結したと発表。併せて,今年の後半に新しい .NETアプリケーション開発ツールを提供する計画であることを明らかにした。同社のFrank Slootmanシニア副社長兼ジェネラル・マネジャは「このライセンス契約を最初に締結した企業として我々は,すべてのメジャーなプラットフォーム向けに企業向けソリューションを展開していく」と声明しており,Windows用開発ツール以外に,Linux用開発ツールにも .NET Framework SDKを搭載することを示唆した。

 Borlandが最初に .NET Framework SDKを採用するツールとして最も有力なのは,Windowsアプリケーション開発ツールDelphiの新版である「Delphi 8」だ。BorlandのJohn F. Kasterデベロッパ・リレーションズ・シニア・マネジャは昨年夏のDelphi 7の新製品発表会で,Delphi 7の .NET対応は途上のもので,十分なレベルになるのは次期Delphi(Delphi 8)になると語っており,具体的な内容として,(1).NETベースで書き直したIDE(統合開発環境)「Galileo」の採用,(2).NET用Delphiコンパイラの機能強化,(3)DelphiのクラスライブラリVCL(Visual Component Library)の .NET版であるVCL .NETの提供,などを挙げていた(詳しくはこちら)。

 さらに,Windows向け開発ツールのC++ Builderと,Linux向け開発ツールのKylixについても,.NET Framework SDKを採用していくものとみられる。Borlandは新IDE「Galileo」を最初にDelphi 8に搭載した後,C++Builder,Kylixにも採用することを予定している(くわしくはこちら)。KylixにLinux用 .NET Framework SDKを搭載すれば,GalileoをKylix向けに移植したり,Windows版に合わせてバージョンアップさせていくのが容易になるからだ。

(日経ソフトウエア)