F5 ネットワークス ジャパンは2001年2月23日,負荷分散装置「BIG-IP」など同社製のネットワーク管理機器やコンテンツ管理機器をアプリケーションから制御するための開発キット「iControl SDK」を無償で提供すると発表した。まず4月にCORBA(Common Object Request Broker Architecture)版を提供開始し,6月にSOAP(Simple Object Access Protocol)版を提供する予定である。製品の最新版にバンドルするほか,既存ユーザーは同社から入手できる。

iControl SDKを使って,負荷分散装置などの機能を操作するプログラムをアプリケーションに組み込むことが可能になる。例えば,ラウンド・ロビン(複数台のWWWサーバーに処理を順番に割り振る方式)で負荷分散している時,あるサーバーが過負荷になったら,負荷の少ないサーバーに優先的に割り振るように動的に方式を変更するといったプログラムを作成できる。米Microsoftは同社の負荷分散ソフト「Application Center 2000」に,iControl SDKを使って開発したBIG-IPと連携する機能を実装するという。

iControl SDKを使って制御可能な製品は,(1)LAN上のサーバーを対象とする負荷分散装置「BIG-IP」,(2)WAN環境など異なるネットワーク・セグメント内のサーバーを対象にした負荷分散装置「3-DNS」,(3)キャッシュ・サーバー「EDGE-FX」,(4)複数サイトへコンテンツを配信,同期するツール「GLOBAL-SITE」,(5)ネットワークの管理・分析用ツール「SEE-IT」,である。iControl SDKの提供に伴い,各製品に内蔵したソフトウエアのアーキテクチャを変更した。従来製品については,ソフトウエアをアップグレードすれば利用可能である。iControl SDKと同様にアップグレードは無償。

(相馬 隆宏=日経オープンシステム)

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