CSKネットワークシステムズ(東京都新宿区)は2月16日に,ネットベンチャーなどの育成を支援する「ワン・ストップ・インキュベーション・プログラム」を開始する。同社が保有するデータセンターや通信インフラなどをベンチャー企業に無償提供する。1年間は完全に無償で,原則として2年目からレベニューシェア方式で売り上げの一部を徴収する。徴収する金額などは個別に協議する。また,技術サポートや決済用のミドルウエアも,必要に応じて無償,または低価格で提供する。

 "ネットバブルの崩壊"で,ベンチャーキャピタルが投資に慎重になり,新興のネットベンチャーなどにとっては苦しい状況になっている。しかしCSKネットワークシステムズの持塚朗社長は「このままでは日本のベンチャー全体が沈んでしまう。資金ではなくネットワークインフラの提供という形で支援するこの方法は,リソースを活用しながら初期段階のベンチャーを育てられる,我々にふさわしいビジネスモデルだ」と話す。

 3月30日までプログラムの適用を希望するベンチャー企業の応募を受け付け,審査の上で10社程度を選定し,6月に実際のサービス提供を開始する。CSKネットワークシステムズは,保有するデータセンターや通信インフラといった設備の10%程度をこのプログラムのリソースに充てる。

 またCSKネットワークシステムズが事務局となり,ベンチャーキャピタルや証券会社,コンサルティング会社,ハードウエアベンダーなどとの協力組織「インキュベーション・サークル」も結成した。既にコンパックコンピュータ,サン・マイクロシステムズ,シスコシステムズの参加が決まっている。参加企業は,ベンチャー企業に対してサーバーなどのハードウエアの提供,営業やマーケティング,資金調達,上場などに対するサポートも提供する。

(笹田 克彦=日経ネットビジネス編集)

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