パソコン販売大手のソフマップは2000年11月12日に、EC(電子商取引)サイトを全 面リニューアルする(http://www.sofmap.com/)。今年の年末商戦に向けたECサイトの販売力強化と、ユーザーと長期的な関係を築く「CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)」の実践を目指すもの。

 具体的にはECサイトのパーソナライズ機能を大幅に強化し、その上でユーザーにお薦めの商品を提案するレコメンドサービスを実施するほか、新たに開始する中古品の買い取り・販売でもパーソナライズ機能を全面的に導入する。同社は今年のECサイトの売り上げを前年30億円から3倍超の約100億円と見込んでいる。「2001年は200億円を目指す」(高橋人也専務)計画だ。

 今回提供するレコメンドサービスは、ユーザーが登録した属性に応じてWebページにお薦めの商品を表示したり、ユーザーが閲覧している各商品ページで関連する周辺機器などを表示するもの。「効果的なレコメンドサービスを実施した米国のECサイトでは、訪問者に対する購入者の割合が5~8%と高い。ソフマップの場合は2.1%だが、レコメンドの導入でこの数値を引き上げ、全体の売り上げアップにつなげる」と高橋専務は話す。

 一方、中古品の買い取りでは、ユーザーが自分のパソコンや周辺機器を登録しておくことで、リアルタイムで保有機種のその時点での査定額を確認したり、ユーザーがあらかじめ指定した金額まで査定額が下がったら、電子メールで通知したりできるようにする。中古品の販売は当面、ネットで買い取った機種に限って実施する。ソフマップは99年の売上高1304億円のうち、中古販売が約200億円を占めており、ECサイトでも収益の柱に育てる考えだ。

 中古品の買い取り・販売には、ユーザーと長期的関係を築くCRMを推進する狙いがある。新品の購入から下取り、買い替えまでの購買サイクルをサポートできるようになるからだ。「ソフマップでは全体の2割の顧客が、全社売り上げの52%を占めており、こうした顧客層と継続的に付き合うパイプとしてECサイトを活用する」と高橋専務は説明する。(永井 学=日経ネットビジネス編集)

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