ソフトバンクBBは通信サービス販売のネクシィーズにADSLサービスのインフラを貸し出す。ネクシィーズ・グループはこのインフラを利用して,年内にADSLサービス「Nexyz.BB」を開始する。

 ネクシィーズは関連会社の「Nexyz.BB」を通して,インターネット接続事業者(ISP)として参入する。月額の利用料金はソフトバンクBBの既存ADSLサービスと同額に設定した。ADSLのモデムや回線,インターネットへの接続回線はソフトバンクBBがNexyz.BBに提供する。

 モデムや回線の提供はユーザーとソフトバンクBB間の契約となるが,すべての月額料金はNexyz.BBに支払う。電子メールのサービスはNexyz.BBがISPとして提供する。

 ソフトバンクBB側にとっては,販路の拡大にもつながる。ただし,ソフトバンクでは「他社にADSLインフラを貸し出すのは極めて例外的な対応。今回はネクシィーズ側からの強い要望があった。あくまでも垂直統合型で取り組む」として多方面への提供には慎重な構え。

 ネクシィーズは「おとくライン」や「Yahoo! BB」などソフトバンク・グループの商品を手がける大手代理店。サービスの販売や継続期間に応じた手数料が主な収入であった。ネクシィーズがNexyz.BBを販売すると従来通りの手数料収入に加えて,ユーザーからのISP収入も一部が直接入ってくる。「当分はおとくラインやYahoo! BBよりNexyz.BBの販売に力を傾ける」(ネクシィーズ)方針。今後,ソフトバンク・グループのFTTHサービス,Yahoo! BB光のインフラを利用した「Nexyz.BB 光」も提供する。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション