総務省は8月10日,固定電話と携帯電話を融合させたFMC(fixed mobile cpnvergence)など新たな電話サービスにおける番号の使い方や割り当て方針を検討することを明らかにした。2006年3月をメドに結論を出す。

 注目は,「電話サービスからインターネット電話への転送について検討する」としたこと。既に,フュージョン・コミュニケーションズでは同社の050番号のIP電話とルクセンブルグのスカイプ・テクノロジーズのIP電話「Skype」間での転送サービスを発表している。

 フュージョンのサービスでは050番号のIP電話への着信をSkypeへと転送する。ユーザーは実質的に050番号で,Skypeへの着信が実現できる。050など総務省が一定レベルの品質を満たすとして割り当てた番号と,そうでないサービスとの連携について是非を議論する。このため,フュージョンのサービスは早くても結論の出る来年3月のスタートとなる見通しだ。

 FMCの番号割り当てポリシーも検討する。固定電話へはユーザーが移動しないことを前提にした東京「03」などの0AB~J番号,携帯電話にはエリアに依存しない「090」など「0X0番号」が割り当てられている。IP電話の050番号もエリアによらない。FMCでこれらの番号をどう使い分けるのか,また新たな番号を割り当てるのかが検討課題になると見られる。

 また「104番」や「110番」などの「1XY番号」の新たな割り当て方針も議題に上がる。例えば,この番号は日本テレコムが顧客窓口としての利用を要求している。現在,NTT地域会社は116番でユーザーからの問い合わせを受けているが,日本テレコムでは「0088-82」のように倍のけた数ダイヤルする必要がある。

 1XYは約半分が既に利用されており,一部は110番など公共サービスにも割り当てられている。行政機関からも問い合わせ番号として1XYの新規割り当て要求があり,これについても検討するという。

 なお,2004年12月から開催している「IP時代における電気通信番号の在り方に関する研究会」では,同日報告書を発表した。(1)0AB~J番号を利用するIP電話サービスや直収電話の登場で,同番号の不足が予測される問題への対策,(2)インターネット上で電話番号情報をやり取りするENUM(Telephone Number Mapping)の実証実験への取り組み開始--などがまとめられた。今回の新たな番号の検討も同研究会で続けて検討していく。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション