NTT持ち株会社は8月3日,2005年度第1四半期のグループ連結決算を発表した。営業収益は前年同期比543億円減の2兆5996億円。営業利益は同223億円減の3996億円だった。NTT持ち株会社のほか,NTT東西地域会社,NTTコミュニケーションズ,NTTデータ,NTTドコモが連結対象となる。

 連結営業収益のうち最も減収額が大きかったのは固定音声関連。前年同期比で495億円の減収となった。一方で増収額はIP系・パケット通信が最大。しかし249億円の増収に留まり,固定音声の減収を補うことはできなかった。ただし,人件費など連結の営業費用を前年同期比で320億円圧縮し,減収幅を抑えた。

 個別の会社ではNTT東日本が前年同期比で10億円増の245億円の利益を出したが,NTT西日本は同125億円減の106億円となった。この差は「会社によってコストの削減が収益に寄与する時期が異なる」(NTT持ち株会社の八木健取締役第四部門長)ためだという。NTT東日本は140億円の費用を削減したが,NTT西日本はすでに削減を進めていたため12億円減に留まった。

 注目される光・IP電話サービスの「ひかり電話」は東西NTT合わせて第1四半期に2万8000契約を上乗せ。合計で3万2000契約とした。2005年7月には単月で2万4000契約を獲得するなど,上向き始めている。ただし,計画では年間160万契約の獲得を立てており,達成できるかどうかは不透明だ。なお,契約数には個人と法人向けのサービスを含み,法人は音声チャネル数で契約数に換算している。

 FTTH(fiber to the home)サービスのBフレッツは東西NTT合わせて2005年第1四半期に32万6000契約を上乗せし,合計で199万1000万契約とした。ADSLサービスのフレッツ・ADSLは同期に23万1000増。2004年第4四半期に続いて,Bフレッツがフレッツ・ADSLを上回った。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション