NTT東日本とNTT西日本は8月1日,ADSL(asymmetric digital subscriber line)サービス「フレッツ・ADSL」の一部ユーザーが,特定の条件下でプロバイダのIP電話サービスによる電話発信ができなくなると発表した。原因は,IP電話対応ADSLモデムおよびルーターのソフトウエアの不具合。

 今回の不具合は,一般加入電話にダイヤル回線を利用しているユーザーが影響を受ける。加入電話から「110番」や「119番」といった緊急機関へ発信して3分以内に通話終了した場合,緊急機関との通話開始から3分以内に再度受話器を上げて電話番号をダイヤルしても外部への発信ができない。この不具合が発生した場合,受話器を上げて電話番号をダイヤルしても「ツー」というダイヤルトーンが流れたままになる。

 なおプッシュ回線を契約しているユーザーは不具合の影響は受けない。

 対象となるモデム及びルーターは,NTT東日本が「Web Caster 3000MV」約1万3000台。NTT西日本は「Web Caster 3000MV」約2600台,「Web Caster 3100SV」約1万5000台,「ADSLモデム‐SVII」約23万5000台,「ADSLモデム‐SVIII」約31万4000台が対象となる。本日からNTT東日本と西日本の通信機器のWebサイト上で,対策ソフトウエアの配布を開始している。

 今回発表された不具合は,NTT西日本が定期的に実施している機器検証において発見された。「これまでのところ,ユーザーから不具合の申告はない」(NTT西日本)。