ソア・システムズは9月に,NTTドコモのFOMA端末「M1000」で動作するSymbianアプリケーションの開発・実行環境「ル・クローンK-tai Developer for FOMA M1000」を発売する(写真はM1000で動作しているサンプル・アプリケーション)。同製品は独自のプログラミング言語を使うアプリケーション開発ツールと,開発したアプリケーションを携帯電話上で実行するときに必要となるエージェント・ソフト(ル・クローンagent)で構成する。

 ル・クローンの特徴の一つに「開発工数を削減できる」(執行役員の高山正道COO)ことがある。開発したプログラムは,他のプラットフォーへの移植も容易。既にシャープの「ザウルス」などのPDAや,KDDIのau携帯が搭載する「BREW」に対応した製品がある。移植に際しては,GPS(全地球測位システム)の利用や画面サイズなど機種別の機能に大きく依存する部分以外は,実行環境の種類を問わず利用できる。

 価格は,開発ツールが年間60万円(税抜き)になる見込み。エージェントは,一回のみの課金やASP(application service provider)など様々な提供形態があるため,案件ごとの個別相談。当面の販売ターゲットはシステム・インテグレータやパッケージ・ソフトのベンダー,ASP提供事業者。パッケージ・ソフトのベンダーなどとは,アプリケーション開発の協力や受託なども行うとしている。ユーザー企業への提供も考えている。

 また今秋に「ル・クローン K-tai Bridge」(仮称)を発売する予定だと明らかにした。これは,M1000に搭載するデータベースと社内データベースを連携させる仕組みだ。

(山崎 洋一=日経コミュニケーション