NTT持ち株会社と三菱電機は7月20日,SSL(secure sockets layer)/TLS(transport layer security)で利用する暗号アルゴリズムの一つとして,両者が共同開発した「Camellia」(カメリア)が標準規格(IETF Standard Track RFC)に採用されたと発表した。既にCamelliaはS/MIMEとXMLの暗号アルゴリズムとして採用済み。SSL/TSLでも採用されたことから,国産アルゴリズムとしては初めてインターネットにおける主要な暗号プロトコルすべてに採用されたことになる。

 Camelliaは米国政府標準暗号のAES(advanced encryption standard)と同等の安全性と処理性能を備える次世代共通鍵暗号アルゴリズム。2000年3月に開発され,既に日本の電子政府推奨暗号や欧州連合推奨暗号に認定されている。NTT情報流通プラットフォーム研究所の神田雅透情報セキュリティプロジェクト主任研究員は「2005年5月にISO(International Organization for Standardization)/IEC(International Electrotechnical Commission)国際標準規格に採用されたばかり。あとはIETFでの採用を待つのみだった」と胸をなでおろす。

 今後は,Webブラウザやセキュリティ製品のメーカーにCamelliaの組み込みを働きかけていく。既にWebブラウザ市場で圧倒的なシェアを占める米マイクロソフトと協議していることも明らかにした。IPsecにおいてもすでにIETFでの審議が終了し,今秋中の採用が内定している。