マイライン事業者協議会は,6月末における契約回線数を発表した。マイラインはユーザーが通話する際に利用する電話会社を固定するサービス。6月も,昨年12月から続いているNTTコミュニケーションズ(NTTコム)の新サービス「プラチナ・ライン」の躍進が目立った。

 NTTコムは6月に市内区分で24万回線を上乗せ。合計で232万4000回線とした。シェアは5.0%と前月比で0.5%伸ばしている。県外区分は15万回線を上乗せし,合計で2557万2000回線となった。シェアは62.4%。プラチナ・ラインを開始した昨年12月からの7カ月間の通算では,県外区分で161万3000回線,市内区分で193万4000回線をそれぞれ上乗せしている。NTTコムのマイライン単月の獲得回線数は3月を頂点に4月,5月と減少基調だったが,6月は再度上昇へと転じた。

 プラチナ・ラインは,市内,県内市外,県外,国際の全4区分をNTTコムと一括でマイラインとして契約することで,電話料金を大幅に割り引くサービス。そのため,NTTコムがプラチナ・ラインの契約を獲得すると,市内/県内市外のマイラインで最大シェアを持つNTT東西地域会社の契約者数が減少する。

 ただし6月は5月に比べて,NTTコムの獲得ユーザー数が増えたものの,東西NTTのマイライン契約の減少幅は縮小した。具体的には,東西NTTは5月に19万1000契約を減らしたが,6月は17万8000契約減だった。

 NTTコムは「プラチナ・ラインは自然体でやっていく」(和才博美社長)としているが,東西NTTに配慮したことがうかがえる。KDDIや日本テレコムなどのマイライン契約者に対する営業を強化したと見られる。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション