総務省が年内にも割り当てを予定している2GHz帯の携帯電話用周波数に,ライブドアが参入を検討していることが明らかになった。10月に商用化を予定している無線LANアクセス・サービス「D-cubic」を補完する事業として計画している。
同社が2GHz帯で利用を検討しているのは,「iBurst(アイバースト)」と呼ぶ無線通信方式。基地局から端末までの下りで最大1Mビット/秒程度の通信速度が実現できる。国内では京セラがiBurstの通信機器などを開発し,実用化を強く推進している。
サービス展開するための通信インフラは,D-cubicと同様にパワードコムの協力を得る。ライブドアにiBurstの製品や技術を紹介したのは,パワードコムの中根滋代表取締役社長兼CEOだった。
ただし,総務省が2GHz帯で割り当てる技術は,今のところ第3世代(3G)携帯電話システムに限定している。具体的には,TD-CDMA(time division-code divison multiple access)あるいはTD-SCDMA(TD-synchronous CDMA)のいずれかであり,iBurstはこれに該当しない。
総務省が2GHz帯の割り当てに先立って開催した「IMT-2000 TDD方式技術的条件作業班」ではiBurstの技術検証も行っている。だが,純粋な3Gシステムではないため利用できるかどうか,現状では不透明だ。
2GHz帯へは,ベンチャー企業のアイピーモバイルがTD-CDMA方式での参入を目指している。このほか,PHS事業者のウィルコムも参入を希望している。ウィルコムは次世代PHS技術を導入する予定で,ライブドアのiBurstと同様に3Gシステム以外の採用を求めている。