日本テレコムは7月6日,東北大学・電気通信研究所附属21世紀情報通信研究開発センターと共同で最大3.2Mビット/秒の無線ブロードバンド・システムの伝搬実験を7月中に開始すると発表した。利用する無線ブロードバンド・システムは,米フラリオンテクノロジーズが開発した「Flash-OFDM」。今回の実験は研究所が主体となって企画したもので,「商用化は全く未定」(日本テレコム)。しかし何らかの形で無線ブロードバンド・サービスを提供する意向はあるという。

 実験局免許は,7月1日に総務省から取得済み。下りに2.1GHz帯,上りに1.9GHz帯の電波を利用する。Flash-OFDMの通信速度は,下り最大3.2Mビット/秒,上り最大900kビット/秒。利用する帯域幅は,上り/下りそれぞれ1.25MHzである。

 実験で検証する内容は,(1)無線伝搬特性,(2)Webアクセス,動画ストリーミング,IP電話などインターネット接続,(3)無線LANシステムとの相互ローミングなど。時速60km程度で走行中の自動車内からも,同様の実験を実施する。実験場所は,東北大学・電気通信研究所周辺(写真)。また8月初旬に実験の一部を公開予定だ。