スカイウェイブは7月5日,中堅・中小企業向けIP電話のアウトソーシング・サービス「Skyビジネスフォン」を発表した。7月11日からサービスを提供する。「10年以内に電話はすべてIP電話になる」(スカイウェイブのロバート・ケリー代表取締役社長,写真)とみており,2006年3月までに約1万端末で2億円,2008年3月までに約7万端末で25億円の売上げを狙う。

 対象とするユーザー企業は,従業員が30人から500人程度の中堅・中小企業。その中でも特に50人から100人程度の企業を有望と見ている。Skyビジネスフォンのコンセプトは,ユーザー企業の手を一切煩わせないIP電話サービス。IP電話機などはすべてスカイウェイブ側で設定し,原則既存のLANに接続してすぐに使えるようにする。今までIP電話が身近ではなかったユーザーが導入しやすサービスを目指した。

 中堅・中小企業へ導入を進めるため,スカイウェイブはSCP(skywave certified professional)と呼ぶ認定販売代理人制度を発足。同社がSCPに対して成約したユーザー数などに応じてコミッションを支払う。SCP向けの研修や認定試験も用意した。ユーザー企業1社に対して1人のSCPが直接担当する形式を採用し,拡販を狙う。

フュージョンのVoIP網と接続

 センター側に設置するSIPサーバーは同社のIP-PBXソフトウエア「SkyIP-PBX」を使用し,保留・転送,内線グループの設定などの基本的な内線機能を提供。SkyIP-PBXは,当面は東京のスカイウェイブのデータ・センター内に設置。ユーザー数の増加に応じて大阪にもセンターを設置する計画。

 センター側はフュージョン・コミュニケーションズのVoIP(voice over IP)網と接続し,ユーザー側には050番号を割り当てる。ユーザーのアクセス回線はBフレッツもしくはフレッツ・ADSL。グローバルソリューションのVPN(仮想閉域網)サービスである「VECTANT」とこれらのアクセス回線を組み合わせて利用する。

 またオプションでスカイウェイブが大企業向けに提供しているアプリケーションを利用したWeb電話帳や,ユーザー側で着信・転送設定を自由に変更できるサービスなども提供する。

 採用するIP電話機は当面鳥取三洋電機製の「SIP-2100P」に限定。「12個のラインキー備えており,機能的に十分でかつ価格もこなれているため採用した」(スカイウェイブの古谷光俊・常務取締役営業三部部長)。なおIP電話機はユーザーにはレンタルで提供する。

 料金は,IP電話機1台に付き,初期費用として加入料が1050円。月額基本料金は,Bフレッツやフレッツ・ADSLの回線費用を除き,2415円(30台以上の契約時の1台当たりの料金)。2415円の中には050番号利用料,IP電話機のレンタル料,サービス利用料を含む。レンタル料金は5年目以降は630円割り引きになる。なお契約1年以内の解約については解約料金が別途かかる。

(大谷 晃司=日経コミュニケーション