電気通信事業者協会(TCA)は7月1日,発信者番号の偽装対策をまとめたガイドライン「発信者番号偽装表示対策ガイドライン」を策定したと発表した。警察や自宅の電話番号などを携帯電話や固定電話に不正に表示させ,現金をだまし取る振り込め詐欺事件が社会問題となっていることに対応したものだ。

 TCAでは,固定電話,携帯電話,PHSの主要事業者13社で構成する専門のワークグループ「発信者電話番号偽装表示対策検討部会」を2月に設置。技術や設備面の対策を検討してきた。「現時点で想定される番号偽装には対応できる内容をガイドラインに盛り込んだ」(TCA)。今後,各事業者は同ガイドラインに基づいて対策を実施することになる。またTCA会員以外の事業者にも対策を実施してもらうため,テレコムサービス協会や日本ケーブルテレビ連盟などにも対策の推進を働きかけていく。

 なお,同ガイドラインは一般向けには公開しない。「対策を公にすることで新たな番号偽装を助長してしまうことになりかねない」(TCA)という考えからだ。TCAの会員事業者には公開するが,厳重注意の扱いにするという。