英BTは6月15日,固定電話と携帯電話の融合(FMC,fixed mobile convergence)サービス「BT Fusion」を開始した。同社が2004年に「Bluephone」という名で表明していたプロジェクトを,正式開始時に改めた。同サービスは一つの端末を使って,家の中ではBluetoothのアクセス・ポイントを経由する固定電話として,家の外では携帯電話として利用できる。まずは約400人の初期ユーザーへの提供を開始。2005年9月以降,本格的に提供を始める。

 BT Fusionは,BTのADSL(asymmetric digital subscriber line)サービスに加入している英国国内の一般消費者,SOHO(small office, home office)ユーザーを対象としたサービス。ADSL回線に「BT hub」というBluetoothアクセス・ポイント機能を持つルーターを接続することで利用可能になる。

 対応する端末は,米モトローラのGSM(global system for mobile communications)携帯電話「V560」。普段は携帯電話として利用できるが,家の中にいるときはBT hubに自動的に接続し,固定電話経由で通話できる。UMA(unlicensed mobile access)という技術を使って,家の中と外で通話を自動的に切り替えられる。通話しながら,GSM網とBluetooth経由の固定電話網間でハンド・オーバーも可能だという。なおGSM網は,英ボーダフォンUKのネットワークをMVNO(mobile virtual network operator)の形で借りてBTが提供する。

 料金体系は,BT Fusion加入ユーザーが家の中から英国国内への家庭回線へかける場合,60秒当たり5.5ペンス(日本円に換算すると約10.84円,「BT Fusion 200 Off Peak」コースの場合)。英国内の主な携帯電話サービスと比べて,通話料金を大幅に下げることで料金メリットを出した。

 BT Fusionに加入したユーザーは端末を1台無料でもらえるほか,アクセス・ポイント「BT hub」も無料で入手できる。BT hubはBluetoothアクセス・ポイント機能に加えて無線LAN(IEEE 802.11b)機能も持つ。パソコンなどを接続してインターネット接続にも利用できる。