総務省は6月15日,今後の電話番号の制度や運用について議論する「IP時代における電気通信番号の在り方に関する研究会」の第4回会合を開催した。今回はこれまで議論された内容を基に,事務局から研究会としての報告書案が提示された。

 今後の電話番号に求められる役割を,以下の五つにまとめた。(1)サービスの識別,(2)地理の識別,(3)料金の識別,(4)通話品質の識別,(5)社会的信頼性の識別――である。いずれも,これまでの方針と基本的には変わっていない。ただし,いくつかの補足事項が加わった。

 例えば(2)は,利用者への影響を考慮しながら,必要に応じて番号区画の変更や統合を引き続き進めていく必要があるとする。また(3)では,現状の050番号は同じVoIP(voice over IP)基盤上のIP電話同士であれば無料で通話できる点を指摘。電話番号だけでは料金が有料か無料かの区別がつきにくいので,端末表示や呼び出し音などの手段で解決することも検討すべき――などだ。

 これまでの会合では,固定と移動体を融合したFMC(fixed mobile convergence)で利用すべき電話番号も議論されてきた。しかし,FMCの具体的なシステムやサービスのイメージが固まっていないこともあり,具体的な指針を明記しないこととなった。今後,早期に研究会などを開催し,具体的なシステム・イメージを明確にした上で,FMC用の番号を検討していく。

 なお,0AB~J番号の不足問題への対策は変更なし。番号不足の最大要因である「番号ポータビリティによる二重番号の利用」を,今後2~3年をめどに中止する。それまでに枯渇した場合は,同一の都道府県内の空き番号を番号ポータビリティの“裏番号”として利用する。

 今後,パブリック・コメントによる意見募集を経てから最終報告書をまとめる。第5回の会合は7月中の開催を予定する。