KDDIは6月15日,固定通信と移動を統合する次世代ネットワークの構想を発表した。「ウルトラ3G」と名付けられたこの構想は,固定と移動のネットワークを統合し,アクセス手段によらない様々なFMC(fixed mobile convergence)サービスを可能にする。KDDIは2004年に電話網のIP化を宣言。固定と移動体の融合でも世界をリードすることになる。
「ウルトラ3G」のコア・ネットワークは,3GPP2で標準化が進む,IPをベースにしたIMS(IP Multimedia sybsystem)/MMD(multimedia domain)アーキテクチャに準拠する。アドレス体系はIPv6を採用。「数千万台規模の携帯電話機を,IPv4のアドレス体系で取り扱うのが難しい」(同社の小野寺社長)からだ。
このコア・ネットワークに,現行のCDMA2000やより高速の次世代CDMA2000方式,IEEE 802.11a/b/gなどの無線LAN,ADSLやFTTHなどのアクセス方法で接続する。異なるサービスを利用しても加入者情報は各アクセス・サービスで共通となるため,様々な連携サービスが可能になる。「例えば,携帯電話のテレビ電話サービスを考えた場合,バスの中などで通話が難しい時は映像だけ携帯電話上に表示してテキストで会話。また家の中にいる時は,通信機能を持った家庭内のテレビに固定回線経由で相手の顔を映し,携帯電話で音声通話することも可能」(小野寺社長)。
移行に向けたスケジュールは「できる部分から始める。まだ話せる段階ではない」(小野寺社長)。しかし同社の渡辺文夫au技術本部ワイヤレスブロードバンド開発部長は「既にトライアルを開始している部分もある」と明かす。
なおKDDIは,現行のCDMA200 1x EV-DO方式を拡張した,1x EV-DO Rev.Aを2006年中に導入することも明らかにした。現行のEV-DOに比べ,最大速度を下り2.4Mビット/秒から3.1Mビット/秒,上り154kビット/秒から1.8Mビット/秒へと向上。サービスの種類に応じた優先制御が可能になる。
1x EV-DO Rev.Aはこのような特性から双方向リアルタイム通信での活用が期待される。しかし具体的なサービス内容は未定。ただし料金体系については「データ通信に定額プランは入る」(小野寺社長)と述べた。