千葉市・幕張メッセで開催中のネットワーク総合展示会「Interop Tokyo 2005」で,日立製作所がシン・クライアント型のシステム「セキュアクライアントソリューション」を展示している(写真)。

 日立のシン・クライアントの特徴は,「ポイント・グレード型」と呼ぶシステム構成を取ること。一般的なシン・クライアント・システムは,ディスクを持たないエンド・ユーザー用のクライアント端末と,各クライアントの処理を一括して実行するサーバーで構成する。

 これに対しポイント・グレード型では,サーバーの代わりに,ラックマウント型のきょう体に挿入するブレード型モジュール「FLORA bd100」を利用。1枚のモジュールが,1台のクライアントの処理を実行する。ラックマウント型きょう体1台に最大14枚のモジュールを収納できる。

 モジュールごとに個々の社員の環境を構築することにより,「ある社員が処理負荷の大きいアプリケーションを使っても,他の社員へ影響が及ばずに済む」(日立製作所の山本和広セキュアユビキタスソリューションセンタ主任技師)。開発部隊など,クライアントごとに業務内容が異なり,動作環境を柔軟に変えたい用途に向くという。

 システムの価格は,100クライアントの標準的な構成で約3300万円。価格にはセキュリティPC,クライアント・モジュールのほか,IPsec(IP security protocol)対応のVPN(仮想閉域網)装置などが含まれる。

(島津 忠承=日経コミュニケーション