総務省は「050」から始まるIP電話専用番号の6月1日時点での配布数を公表した。これによると通信事業者への配布数は合計で1847万。3月上旬時点の1806万から41万番号増えた。

 41万番号の増加分はすべてNTTコミュニケーションズが取得した。同社の取得番号数は459万となったが,トップは813万番号のソフトバンクBBであることには変わりがない。

 NTTコムは6月に新たな企業向けのIP電話サービス「Click to Connect」を始める。NTTコムは「Click to Connect用に050番号を総務省から新たに取得した」(ブロードバンドIP事業部VoIPサービス部)としており,今回取得した41万番号の一部は同サービスに向けたと見られる。

 Click to Connectは個人情報保護対策や“ワンナンバー”を実現するサービス。このサービスでは,電話をかけるときも受けるときも同じ050番号を使う。電話番号データベースを端末側に持たなくてよい,携帯電話や固定電話などどんな端末を利用しても同じ電話番号で電話をかけたり受けたりできるなどのメリットがある。

 また,NTTコムは6月6日,中小規模の企業ユーザー向けIP電話サービス「OCN .Phone Office」において,050番号を1番号当たり月額50円で割り当てるサービスを開始する。1契約で複数の番号を使える。従来は月額700~1400円の1契約に対して1番号を割り当てていた。

 新生銀行による050個人番号の全面採用やClick to Connectの登場など,050番号の企業向における利用が増え始めている。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション