「大転換期を向かえる通信業界では,事業者間のグローバルな連携が何より重要」――。5月30日に開幕した国際イベント「Broadband World Forum (BWF)ASIA」のオープニングで,NTT持ち株会社の和田紀夫社長はこのように語った。

 まず和田社長は,世界の通信事業者がおかれている状況を説明。固定通信ではブロードバンド化が進行,移動体では第3世代携帯電話への移行が進み,固定と移動の融合であるFMC(Fixed Mobile Concergence)も加速するなど,通信事業が大きな転換期に直面している状況を概説した。

 こうした転換期において,世界の事業者間で相互に複雑に接続するネットワークの問題に言及。「急増するトラフィックや,なりすましなどのネットの悪用といった問題は,個々の事業者の問題にとどまることではない」(和田社長)とし,世界の通信事業者がグローバルに連携することの意義を強調した。