イスラエルの通信機器メーカーであるエクストリコムが6月にも,無線LANスイッチ「EXSW800」(写真)を日本で販売することが明らかになった。販売チャネルは,富士通系のネットツーコムなど3社になる見通し。

 エクストリコムは製品の特徴として,「端末がアクセス・ポイント(AP)を切り替えながら通信しても音声が途切れない。面倒な無線チャネルの設計も不要になる」(セールス・ディレクターのオフェル・ポドラー氏)などを挙げる。これらの特徴を実現するために複数のAPを仮想的に1台として扱う独自の通信技術を盛り込んだ。

 一般に無線LANでは,複数のAPで異なる無線チャネルを設定し,電波干渉が起こらない場所を綿密に調査した上で設置する。端末は,直接APとの間で接続処理や暗号化通信を行う。端末が移動した際は,接続先のAPを自動的に切り替える「ハンドオーバー」を実施する。この時に数十ミリ秒から数秒,パケット通信のタイム・ラグが発生してしまう。

 一方エクストリコムの製品は,仮想的な1台のAPとなるためハンドオーバーが発生しない。端末の接続処理や暗号化通信はAPではなくスイッチ上で実施する。端末が移動した場合はスイッチ側で電波状況などをリアルタイムに測定,パケットを経由させるAPを高速に切り替える仕組みだ。販売代理店契約を結んだネットツーコムは「価格は未定だが,他社の無線LANスイッチと比べて競争力のある水準にしたい」(営業部の弘瀬文三雄氏)としている。