NTTドコモは5月17日,第3世代(3G)携帯電話サービス「FOMA」の新シリーズ「901iS」を発表した(写真)。6月をめどに順次発売を開始する見通し。全機種に非接触ICチップを搭載し,電子マネーや電子チケットなど様々な機能を実現する「iモード FeliCa サービス」を利用できるようにした。

 今回発売するのは,「N901iS」(NEC製),「SH901iS」 (シャープ製),「P901iS」(パナソニック モバイルコミュニケーションズ製),「F901iS」(富士通製),「D901iS」(三菱電機製)の5機種。2004年12月から発売中の901iシリーズをベースに,(1)ソニーの非接触型ICチップ技術「FeliCa」,(2)2GHz帯と800MHz帯の電波を使えるデュアルバンド機能,(3)インターネットで普及する文書表示フォーマット「PDF」ファイルの閲覧機能──などをシリーズ共通の機能として実装した。

 (1)のFeliCaについては,従来機種よりもセキュリティを強化した。具体的には特定ボタンの長押しで非接触ICチップを停止させる「ICカードロック」や,端末を置き忘れたり紛失した際に一定回数電話をかけて端末を操作できないようにする「遠隔ロック」などの機能を追加した。

 (2)のデュアルバンド機能は,エリア対策を目的としている。現在FOMA用に利用している2GHz帯では電波が届きにくい山間部などを,PDC方式携帯電話で使っていた800MHz帯の電波を流用してカバーする。(3)は,携帯電話向けのPDFファイル閲覧ソフト「Adobe Reader LE」を搭載して実現する。

 このほか各機種ごとの独自機能もある。N901iSは,パソコン向けのWebページを表示できる「フルブラウザ」を標準搭載する。ただし,フルブラウザを利用したパケット通信時は,定額サービス「パケ・ホーダイ」は適用されない。

 D901iSは最大記録画素数400万画素,SH901iSは同315万画素のデジタルカメラを実装。またD901iS,F901iS,P901iSの3機種では,内蔵時計の時刻を自動的に修正する機能を組み込んでいる。