NTTPCコミュニケーションズは5月16日,英マルコーニが開発したIPベースの高品質テレビ会議システム「ViPr(ヴァイパー)」と,NTTPCコミュニケーションズのネットワーク・サービスを組み合わせた「ブロードバンドTV会議ソリューション」の提供を開始したと発表した。

 ViPrは液晶付きの専用テレビ会議システム端末とSIPサーバーで構成する(写真)。1台のSIPサーバーで最大100台の端末を制御。最大15地点での多地点会議が可能だ。端末はタッチパネル方式で,ワンタッチ操作で接続できる。コーデックにはMPEG-2を採用し,「DVD並みの映像とクリアな音声を実現した」(NTTPC)。

 ViPrが狙うマーケットは,高精細な画像が必要な遠隔医療や役員会議,政府関連など。「PCベースのテレビ会議とは一線を画したハイエンド製品」(NTTPC)という位置付けだ。米国を中心に海外では600台以上の販売実績があり,米国連邦政府には150台を納入済み。「イラク戦争ではラムズフェルド国防長官がViPrを使って指示を出した」(NTTPC)という実績もある。

 価格は専用端末2台,SIPサーバー1台の最小構成で350万円前後から。「競合製品は多地点会議の際に,専用装置MCU(multipoint control unit)が必要になる。MCUはつなぐ地点数に応じて数百万~数千万円もする高価な装置。MCUが不要なViPrはコスト・メリットが大きい」(NTTPC)という。ネットワーク料金やインテグレーション費用は別途必要となる。また,24時間365日の保守も提供する。

(山根 小雪=日経コミュニケーション