マイライン事業者協議会は,4月末における契約回線数を発表した。マイラインはユーザーが通話する際に利用する電話会社を固定するサービス。昨年12月に新サービスの「プラチナ・ライン」を開始したNTTコミュニケーションズ(NTTコム)の躍進が続いている。

 NTTコムは県外区分で16万9000回線を上乗せし,合計で2532万2000回線となった。県外区分でのシェアは61.3%。また,市内区分では28万6000回線を上乗せし合計で187万4000回線となり,シェアは4.0%となった。プラチナ・ラインを開始した昨年12月からの5カ月間で見ると,県外区分で91万3000回線,市内区分で148万4000回線をそれぞれ上乗せした。市内区分はほとんどプラチナ・ラインで獲得している。

 プラチナ・ラインは,市内,県内市外,県外,国際の全4区分をNTTコムと一括契約することで,電話料金を割り引くサービス。県外と市内の増え方が違うのは,NTTコムが市内区分でNTT東西地域会社のユーザーを奪っているからと見られる。「市外はNTTコム,市内は東西NTT」という“一般的”なマイラインのユーザーが,プラチナラインへの契約によって「市外,市内ともNTTコム」へと移行しているのである。

 同時期に直収電話の「おとくライン」を始めた日本テレコムはマイラインの営業を停止している。その結果,昨年12月からの累計で市外49万7000回線,市内39万7000回線のマイライン契約を減らしている。また,おとくラインの回線数は4月末の時点で44万。現時点で回線数だけを見れば,NTTコムのマイラインが圧勝している。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション