ボーダフォンは5月12日,地上デジタル放送の受信に対応した携帯電話の試作機を開発したと発表した。端末はシャープ製。ボーダフォン初期の第3世代携帯電話機「V801SH」をベースにしている(写真)。5月26日から29日にかけて開催されるNHK放送技術研究所の「技研公開2005」に,今回の端末を出展する。

 再生可能な動画コーデックはH.264/AVC。BML(broadcast markup language)によるデータ放送の表示も可能で,日本のモバイル機器向けの地上デジタル放送の規格に沿った仕様を持つ。テレビを視聴しながらメールやWeb画面のチェックができる画面の複数分割表示機能も搭載。端末の外形寸法は幅50×縦101.5×厚さ(折りたたみ時)28.8mm。重さは133g。番組を視聴しながらでも,バッテリーは約2時間持つという。

 同社は今回の試作機を用いて,放送と通信の融合の実現に向けたサービスの形態や端末の操作性を検証する。例えば,番組に関連した情報を携帯電話の通信機能を使って提供するサービスや,通信機能を使ってクイズ番組へ参加できるコンテンツなどを考えているという。

 なお,昨年5月のNHK放送技術研究所の「技研公開」では,NTTドコモとKDDIが地上デジタル放送受信対応の携帯電話機を展示した。