CTOは,クライアントPCのディスクをサーバーで集中管理するシン・クライアント・システム「DID(Disk Image Distribution)システム」の販売を開始した。同システムを利用すれば,サーバー・ルームなどに設置したサーバー上でクライアントPCのディスクを一元管理できるため,個人情報の漏えいを防止する用途に活用できる。

 DIDシステムでは,IDEインタフェースを搭載した専用PCIボードをクライアントPCに装着。PCIボードは,DIDサーバーと呼ぶ専用サーバー上のディスクを,あたかもローカル・ディスクとして利用できるエミュレーション機能を持つ。IDEのケーブルをローカル・ディスクではなく,PCIボードに接続することでシン・クライアント環境を実現する。ネットワークは通常のイーサネットを利用でき,PCIボードとDIDサーバー間はIPベースの独自プロトコルを使ってやり取りする。

 DIDシステムの特徴は,サーバーの負荷が軽いこと。米マイクロソフトの「Windows Terminal Services」や米シトリックス・システムズの「MetaFrame」などとは異なり,OSやアプリケーションの処理をクライアントPC側で実行するためだ。動作周波数が3.0EGHzのPentium 4を搭載した「DID Server」1台で,約60台分のクライアントPCのディスクを集中管理できるという。

 価格はオープン。参考価格は,OSが付属しないクライアントPC「TI252LX」が6万2790円(写真)から。サーバー「DID Server」が25万円台から。クライアントPCで利用可能なOSはWindowsやLinuxなど。