ソフトバンクの孫正義社長は5月10日,グループの日本テレコムが提供する新型固定電話サービス「おとくライン」の回線数を明らかにした。都内のホテルで開催した2004年度通期の決算発表で公表したもの。

 これによると,おとくラインの回線数は4月末時点で合計44万回線。2005年1月から毎月約10万回線ずつ上乗せしている(写真)。今後の回線数の目標について孫社長は,おとくラインだけでなくADSL(asymmetric digital subscriber line)サービスの「Yahoo! BB」を合わせた数字を掲げた。

 具体的には今年9月末の目標を650万とし,4月末のおとくラインとYahoo! BBの合計である524万3000から125万7000回線を上乗せする考えだ。これを達成するには今後5カ月間は1カ月当たりおよそ25万回線を開通させていく必要がある。Yahoo! BBの純増数はここ2カ月は2万回線台と低迷しており,25万回線のほとんどをおとくラインで獲得していくものとみられる。

 なお,おとくラインが利用できるNTT電話局は5月10日時点で1861。固定電話の回線数割合で全国の72%をカバーする。今年7月までに2400局舎への展開を完了する見通し。その時点では83%のカバー率となるという。ただし,日本テレコムがNTT電話局に設置する装置を調達できない場合,エリア内であっても利用できないケースがある。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション