セキュリティ機器ベンダーの米ウォッチガード・テクノロジーズは4月26日,ファイアウォール専用装置の最上位機種シリーズ「Firebox X Peak」を発表した(写真)。5月4日に出荷を開始する予定で,主に中堅/大企業向けに売り込む。「ウォッチガードの製品は中小企業向けのイメージだったが,今後は大規模なユーザーも積極的に狙う」(日本法人の中井健二社長)。
 
 X Peakシリーズは,「Firebox X 8000」,「同6000」,「同5000」の三製品。いずれも,新たに開発した次世代OS「Fireware Pro」を標準搭載する。Fireware Proは,「増大するセキュリティの脅威に柔軟に対応できるよう,開発に1年半かけた戦略的なOS」(ジョン・スタッキー マーケティング担当副社長)。アップグレードによるパフォーマンス向上や機能拡張などが容易にできるという。同OSは,既に発売されている中小企業向けの 「Firebox X 500」など4製品にも有償で搭載できる。

 新製品は新OSを搭載することで,(1)ウイルス対策,(2)不正侵入防止機能,(3)最大四つのプロバイダに接続できる冗長化構成が可能,(4)10個のポートをLANやWAN,DMZ(非武装セグメント)用にユーザー側で自由に割り振ることができる,(5)スパイウエアやピア・ツー・ピア・ソフト,インスタント・メッセージを遮断――などの新機能を搭載した
。最上位機種のX 8000は,10個のポートのうち三つがギガ・ビット対応になっており,最大スループットも1Gビット/秒となっている。
 
 価格は,X 8000が239万9000円,X 6000が191万9000円,X 5000が143万9000円。

(宗像 誠之=日経コミュニケーション