米アメリカ・オンラインの子会社である米テジックコミュニケーションズは,携帯電話やPDA(携帯情報端末)などへの文字入力を支援するソフト「Tegic Mobile Suite」の開発を開始したと発表した。音声や手書きなど複数の手段で文字を入力できる点が特徴で,2005年末に英語版の提供を予定する。同ソフトを搭載した携帯電話などが登場するのは2006年第3~第4四半期になる見込み。

 テジックコミュニケーションズは,「T9 Text Input」と呼ぶ文字入力予測ソフトを提供している。T9 Text Inputはユーザーが入力したキーの組み合わせから入力文字を予測し,変換候補を表示する機能などを提供する。例えば「おはよう」という文字を入力する場合,通常は「1」のキーを5回(「お」の文字),「6」のキーを1回(同「は」),「8」のキーを3回(同「よ」),「1」のキーを3回(同「う」)を入力する必要がある。T9 Text Inputの場合は「1」「6」「8」「1」と4回キーを入力すれば,変換候補に「おはよう」が表示されるので,文字の入力作業が容易になる。

 Tegic Mobile Suiteでは,T9 Input Textによる文字の入力支援機能に加え,音声や手書き,画面に表示したキーボードなどを併用して文字を入力できるようにする。日本語の音声や文字の認識機能などは国内のパートナー企業と共同で開発する。パートナー企業は「決定した段階で発表する予定」(戸野龍・ジェネラルマネージャー)である。

 なお,T9 Input Textは英語やフランス語,中国語など46カ国語に対応しており,世界で5億台を超える携帯電話に搭載されているという。国内では,NEC,パナソニック モバイルコミュニケーションズ,ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズなどが提供する携帯電話の一部に搭載されている。