NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は4月19日,欧州のインターネット・レジストリ管理団体「Reseaux IP Europeens Network Coordination Centre」(RIPE NCC)の運用する「K」ルートDNS(domain name system)サーバーを東京に設置し,共同で運用を開始したと発表した。インターネットの根幹となるルートDNSを世界的に分散運用することで,インターネット基盤の信頼性向上を目指す。
ルートDNSは,ツリー構造で構成するDNSの仕組みの中で,最上位に位置するサーバー。実際に運用されているルートDNSは世界中で13台あり,それぞれA~Mの名称が付いている。このうち,KルートDNSをRIPE NCCが運用している。
RIPE NCCは,欧州を中心に全世界にKルートDNSの分散運用を進めている。きっかけは,2002年10月に発生した世界的なルートDNSに対するサービス妨害攻撃。13台のルートDNSすべてがDDoS(distributed denial of service)攻撃を受ける事態が発生し,その影響で9台のルートDNSの処理能力が落ち,インターネットが局地的に利用できなくなる事件が起きた。こうした事態を受け,ルートDNSを運用する組織は,信頼性向上を急いでいる。
NTTコムは2004年10月から米国の非営利団体「Internet Systems Consortium」(ISC)の「F」ルートDNS(domain name system)サーバーを大阪に設置し,共同運用を開始している。RIPE NCCはこうしたNTTコムの実績なども評価して,日本での運用開始を決めた。