総務省は4月19日,今後の電話番号の割り当て方針について話し合う会合を開催した。今回は,昨年末に設置した「IP時代における電気通信番号の在り方に関する研究会」の2回目のワーキング・グループ(WG)を開いた。
議題は大きく二つ。一つが110番や116番などいわゆる「1XY」番号の新規割り当てについて。もう一つは通信サービスにおける電話番号の需要予測と,割り当てる電話番号が不足する,ひっ迫への対策について。
「1XY」番号の新規割り当てに関しては,意見が大きく分かれた。提案者である日本テレコムは「NTT東西地域会社の116番のように各事業者が営業・料金案内用に独自の1XY番号を持つべき」と主張した。
背景には,直収電話やIP電話など自社網だけで提供するサービスが増えたことがある。東西NTTと同様の加入者網を持ち競争しているのに「競争条件が整っていない」(日本テレコム)というのである。現状は,東西NTTのユーザーが日本テレコムのセンターにかけるには,「0088-221-xxx」のように3桁より多く番号を指定する必要がある。
ただし,割り当てることができる1XY番号は100個と限りがある。このうちの53個は使用中で,47個が「将来のための保留」として空いている。事業者は増える一方で,47個では到底まかなえない。「1XYはもともと緊急性が高いサービスからの要望で割り当ててきたもの」(NTT持ち株会社)といった意見意見が相次ぎ,議論は平行線をたどった。
方法論についての意見も出た。NTT東日本は「事業者番号に続いて116をかけるようにすれば全体のルールを作る必要もないのではないか」,WGのリーダーである東京大学大学院の相田仁教授は「0088など事業者番号だけを回してそのままにしておけば,相談窓口にかかるというのはどうだろうか」との考えを示した。
もう一つの議題である電話番号の需要予測とひっ迫対策については,作業分科会を設置し全国の通信事業者にアンケートを実施。ユーザーが同じ電話番号を使い続ける番号ポータビリティの制度で利用する「2重番号」がひっ迫の主な原因であるという結論を出した。
番号ポータビリティの制度を利用するユーザーには新たに電話番号を「裏番号」として割り当てる。そして着信時には「裏番号」に既存の電話番号から転送をする。つまり電話番号が倍の数必要となる。この対策としてWGは,「同一の都道府県内の空いている電話番号帯を裏番号として運用する」と提案することを決めた。同一都道府県内でも,エリアによって番号がひっ迫している地域とそうでない地域があるからだ。