マイライン事業者協議会は,3月末における契約回線数を発表した。マイラインはユーザーが通話する際に利用する電話会社を固定するサービス。注目されるのは昨年12月に新しいサービス「プラチナ・ライン」を開始したNTTコミュニケーションズ(NTTコム)の動向である。

 NTTコムは,マイラインの県外通話区分で昨年12月からの4カ月間で74万4000回線を上乗せ。さらに市内通話の区分では同119万8000回線を上乗せした。この大部分がプラチナ・ラインによるもの。マイラインの営業を事実上休止している日本テレコムやKDDIのユーザーだけでなく,NTT東西地域会社のユーザーも乗り換えていると見られる。

 マイラインの登録電話回線全体としては,IP電話や日本テレコムの「おとくライン」やKDDIの「メタルプラス」など直収電話への乗り換えなどで縮小傾向にある。しかし,NTTコムがプラチナ・ラインで直収電話へ対抗した結果,マイラインのが再度活性化することとなった。

 プラチナ・ラインは,市内,県内市外,県外,国際の全4区分をNTTコムと契約することで,電話料金を割り引くサービス。日本テレコムの「おとくライン」やKDDIの「メタルプラス」などドライ・カッパーを利用した直収電話への対抗策として,料金を同等の水準まで引き下げた。ユーザーが利用している加入電話やISDN回線をそのまま利用できる。ADSLも従来のサービスを使い続けられる。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション