イーバンク銀行は,社内のセキュリティ強化を狙い,米クリアキューブ・テクノロジーのブレードPC「CLEARCUBE」を導入した。ブレードPCは,パソコンの本体とインタフェース部を分離させたクライアント・パソコン。財務本部や営業部門の一部など,重要データを扱うクライアント・パソコン20台分をブレードPCに置き換えることで,情報の不正な持ち出しを防ぐ。

 イーバンク銀行が採用したCLEARCUBEは,パソコンのCPUやメモリー,HDDを1枚のブレード(ボード)に集約し,ブレードを収納したきょう体でクライアント・パソコンを一元管理する製品。きょう体は機密性の優れたサーバー・ルームで管理し,ユーザーの机には,ディスプレイやキーボード,マウスを接続するための装置しか設置しない。これにより,フロッピー・ディスクやUSBメモリーなどを利用した情報の不正な持ち出し,パソコンの盗難などを物理的に防ぐ。

 イーバンク銀行は,CLEARCUBEの導入に当たり,米マイクロソフトの「Windows Terminal Services」や米シトリックス・システムズの「MetaFrame」といった,アプリケーションやデータをサーバー・サイドで実行/管理するシステムの導入も検討した。しかし,現行のC/S(クライアント/サーバー)システムを移行するには,アプリケーションの大掛かりな改修が必要になることから採用を見送った。導入コストは「端末1台当たりに換算すると40万円程度かかった」(イーバンクシステムの佐藤昌弘社長)。