総務省は3月23日,UHF(ultra high frequency)帯を利用する無線IC(RFID:radio frequency identification)タグの実用化を認可する方針を発表した。

 総務省は,2004年12月15日に情報通信審議会が一部答申した「高出力型950MHz帯パッシブタグシステムの技術的条件」を受け,無線設備規則の一部改正を電波監理審議会に諮問していた。総務省は関係省令などをすみやかに施行する予定としており,近々UHF電子タグが利用できるようになる見通しだ。

 UHF帯無線ICタグに割り当てる950M~956MHz帯の両側の周波数帯は,NTTドコモのPDC(personal digital cellular)方式の携帯電話システムが利用していることから,干渉問題が浮上していた。2004年8月から4カ月にわたって開催した作業班で議論を重ね,双方が歩み寄る形で決着した。

 UHF帯無線ICタグのリーダー/ライターには,(1)免許を必要とする高出力タイプ,(2)免許なしで使えるハンディ・タイプの2種類に大別できる。今回,実用化が認められたのは高出力タイプで,ハンディ・タイプについては継続して議論中である。

(山根 小雪=日経コミュニケーション