名古屋のCATV局であるスターキャット・ケーブルネットワーク,KDDI,インターネット接続事業者であるKMNの3社は3月3日, CATV網とCDN(コンテンツ・デリバリ・ネットワーク)を使ったVOD(ビデオ・オン・デマンド)と0AB~J番号のIP電話サービスの実証実験を6月から始めると発表した。

 スターキャットはKMNと提携してCATVインターネットを提供中であり,VODやOAB~J番号を使うプライマリIP電話を必要不可欠と考えていた。一方KDDIはFTTHの「光プラス」でOAB~J番号のIP電話やVODを提供中だが,CATVの光ファイバと同軸ケーブルを併用したネットワークにも注目。KDDIがKMNに出資している関係で,2004年半ばから検討していたという。

 実験では,スターキャットのCATV網とKDDIのCDNを接続。KDDIのCDNはGC(加入者交換機)をリング状に結び,IPマルチキャストやQoS(quality of service)などの技術を採用している映像・音声配信用ネットワークである。

 スターキャットの加入者宅のテレビに,映画やアニメなどの映像を配信。またCATV回線に接続して使うOAB~J番号のIP電話を使ってもらう。そして,映像信号を変換する装置とVODサーバー,IP電話の加入者を収容する装置とKDDIの電話用ゲートウエイといった機器間の接続性,VODの映像品質,IP電話で緊急通報が使えるかなどを確認する。実験の終了期間は未定だが,3社は2005年度中の商用化を目指している。

(山崎 洋一=日経コミュニケーション