新生銀行は3月1日,国内の全社員にIP電話の050番号を個別に割り当てると発表した。国内の主要29拠点を中心に,3月から随時導入する。

 メリットは大きく二つ。一つめが同じ電話番号を使い続けられること。050番号は東京23区なら03などのように地域に限定されない。全国の本支店に異動しても同じ番号が使い続けられ「顧客との連絡を継続的にとることができる」(同社)。出張で本支店に移動した際も同様のメリットを享受できる。

 もう一つがコスト面。新生銀行は既にIP電話システムを導入し,社員間の内線通話をIP化している。今回はこのIP電話システムを,東京と大阪の2地点でIP電話回線に接続。各拠点で契約するNTT回線を解約して減らし,電話基本料金の支払い額を抑える。また,通話料金も抑えられる。これらの取り組みで「通信コストの2~3割のカットを見込む」(同社)という。

 新生銀行は日本テレコムのIP電話回線へ,既に構築していたIP電話システムをつないだ。導入済みの米シスコシステムズのIP電話サーバー「CallManager」が,新たに日本テレコムのIP電話回線との接続に対応したため実現した。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション