総務省は2月25日,「ワイヤレスブロードバンド推進研究会」の第4回会合を開催した。

 これまでは現在の無線通信の現状把握や,将来登場が想定される無線通信システムの抽出を中心に議論を進めてきた。今回はこれらをまとめ,今後登場する無線通信システムを(1)次世代携帯電話,(2)広域をカバーするモバイル・データ通信,(3)FWA(fixed wireless access),(4)無線LAN,(5)情報家電での無線通信システム――の5種類に分類した。具体的なシステムとしては,(1)は第4世代携帯電話,(2)はIEEE 802.16eやIEEE 802.20,(3)はIEEE 802.16-2004やIEEE 802.11n,(4)はIEEE 802.11シリーズ,(5)はIEEE 802.11,UWB(ultra wideband),Bluetooth,ZigBee──などを想定している。

 さらに今後議論を進める上での基本的な視点についても議論。「技術は柔軟性を重視し,レイヤーごとにモジュール化して考えるべき」(ルートの真野浩社長)や,「国際競争を考えると日本独自色が強すぎない技術が良い」(NECの中村勉常務)といった意見が出た。

 これを受け,3月25日の次回会合では中間報告書が公表される見込みだ。中間報告書に対し,一般も含めて意見募集を実施。その後は無線通信システムごとに作業を行うグループを構成し,具体的な技術内容や周波数割り当ての方針などについて話し合う。11月をメドに無線通信システムへの周波数分配や普及推進の方策を決定し,研究会は解散となる予定だ。