総務省,経済産業省,国家公安委員会は2月25日,2004年1月1日から12月31日までに発生した不正アクセスの状況を公表した。公表した内容は,(1)不正アクセス禁止法(正式名称は「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」)違反事件の検挙状況,(2)不正アクセス行為の関係団体への届け出状況――の2つ。被害の届け出件数は2003年よりも大幅に増えた。

 (1)は,全国の都道府県警察から警察庁に報告された内容を基にしたもので,不正アクセス禁止法違反の検挙件数は142件。2003年の143件とほぼ同じだが,検挙人員は2003年の76人から12人増えて88人となった。

 不正アクセス行為の認知件数(被害の届け出などを受けた件数)は356件で,2003年の212件から約68%も増加。中でも最も多かったのが,オンライン・ゲームの不正操作(129件)。続いて,インターネット・オークションの不正操作(103件),ホームページ改ざん(40件),電子メールの盗み見など情報の不正入手(33件)という順番になる。インターネット・バンキングの不正送金も7件あった。

 一方,(2)は,IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)とJPCERT/CC(JPCERT コーディネーションセンター)に届け出があった不正アクセスの件数。IPAに届け出があった不正アクセスの件数は594件。昨年の407件から約46%増加した。内訳は,ポート・スキャンを含む侵入行為が515件(実際に侵入を受けたのは43件),サービス妨害(DoS:denial of service)攻撃が10件など。

 これに対して,JPCERT/CCに届け出があった不正アクセスの件数は5217件。内訳は,ポート・スキャンなどシステムのアクセス権において影響を生じない,または無視できるものが4974件,システムへ侵入された件数が19件,DoS攻撃が2件。フィッシング関連も30件の届け出があった。