NTTドコモ・グループ9社は2月21日,プリペイド式携帯電話サービス「ぷりコール」の新規加入の申し込み受け付けを3月31日で終了すると発表した。終了するのは新規の申し込みのみ。サービス自体は,既存契約者向けに当面は継続する。

 プリペイド式携帯電話は匿名性を悪用した「振り込め詐欺」などが社会問題化しており,NTTドコモはこれに対処する。ただしNTTドコモ自身は,最近はあまりプリペイド式携帯電話の販売に力を入れておらず,契約者数は2001年3月の21万契約を頂点に減少を続け,2005年1月時点では8万契約に落ち込んでいた。

 NTTドコモを含む携帯電話事業者各社は2004年11月,(1)過去に販売したものを含むすべてのプリペイド式携帯電話の契約者情報を事業者が確認できる体制に切り替える,(2)契約者情報が確認できない場合は当該の携帯電話端末を利用できないようにする――という不正利用防止対策を発表していた。サービスの受け付けを停止するのはNTTドコモが初めて。

 ぷりコールはNTTドコモ・グループが1999年5月に始めたプリペイド式携帯電話サービス。800MHz帯のPDC(personal digital cellular)方式でのみ提供されている。専用の携帯電話端末を購入し,3000円,1000円などのプリペイド・カードを別途購入して登録すれば,一定期間通話ができるようになる仕組み。

(武部 健一=日経コミュニケーション