富士通は1月28日,2004年度第3四半期(10~12月)と2004年4月~12月の通算連結決算を発表した。第3四半期の売上高は対前年同期比2.3%減の1兆436億円,経常損益は142億円となった。前年同期は165億円の経常損益だった。営業利益は同52.6%減の48億円。「半導体やPDP(プラズマ・ディスプレイ),LCD(液晶表示装置)の低価格化や生産量の伸び悩みで電子デバイス関連の利益が大幅に減少した」(小倉正道・取締役専務(CFO),写真)。

 通信関連の売上高は以下の通り。モバイル・IPネットワーク関連は,好調だった第3世代携帯電話基地局が一段落し,対前年同期比14.6%減の398億円。IPネットワークに関しては,昨年12月に米シスコシステムズとルーター/スイッチ事業で戦略提携を結んでおり,来年度以降強化していくという。伝送システム関連は,米ベライゾンなど海外の通信事業者向けが好調で,同9.5%増の426億円。パソコン/携帯電話機関連は,海外向けのノート・パソコンを中心に大きく伸び,同0.7%増の1533億円となった。個々の営業損益は公表していないが,「携帯電話機関連の赤字が継続しており,足を引っ張っている。第4四半期は新製品の投入で増収を見込むが,年間では赤字になる見通し」(小倉取締役専務)である。

 このほか,電子デバイス分野の減収,ソフトウエア/サービス分野の採算性の悪化などを考慮し,2004年度の通期(連結)の業績予想を下方修正した。売上高は10月時点の予想に比べて1000億円減の4兆8000億円,営業利益は同300億円減の1700億円とした。