総務省は1月25日,IP電話から110番や119番などの緊急通報を実現する技術について検討する「緊急通報機能等高度化委員会」の第6回会合を開催(写真)。警察や消防など緊急通報機関に接続するネットワーク構成や,通報者を管轄する緊急通報機関の割り出し方法,個人情報や位置情報の取り扱いやなりすましの防止──など大きく分けて8項目について策定し,報告書案をまとめた。
今回の議論の対象となるのは,「03」などで始まる0AB~J番号と,IP専用の050番号を割り当てたIP電話。固定して利用するIP電話に加えて,移動しながら利用する携帯型のIP電話や,企業内などで拠点間を移動して利用するIP電話についても要件が定められた。移動して利用する端末を想定し,全地球測位システム(GPS)を利用した位置情報の取得や通知の機能についても定めた。
報告書案で注目されるのは,050番号からの緊急通報の扱い。050番号のIP電話サービス提供事業者には,(1)ソフトバンクBBのように回線からIP電話まで1社で提供,(2)NTTコミュニケーションズのようにインターネット接続事業者がIP電話事業者,(3)ニフティのように他のIP電話事業者のサービスを利用──の大きく三つのパターンがある。このため報告書案では,IP電話ユーザーの個人情報を事業者間でどのように受け渡すのかについて定めた。
なお報告書案では,緊急通報の義務化については言及されなかった。このため現状の電気通信事業法の規制である,(1)0AB~J番号のIP電話は緊急通報が必須,(2)050番号のIP電話は特に定めがない──という状況に変わりはない。ただし050番号の緊急通報の技術的な枠組みが決まれば,メーカーや事業者が対応を検討し始める見通し。各社の競争などで,050番号のIP電話でも緊急通報の機能が事実上の標準となる可能性がある。
総務省は,1月末から報告書案に対する意見を募集。3月中に取りまとめ,情報通信審議会への答申がなされる見込みだ。