平成電電は1月6日,新しい直加入電話サービスを発表した。「ビルCHOKKA」の名称で,3月から受け付けを開始。4月下旬頃からサービスを始める見込み。対象となるのは,オフィスのビルやマンション内のユーザー。エリアとしては都市部が中心となる。電話番号は従来のものをそのまま使い続けることができる。

 ビルCHOKKAの最大の特徴は基本料金が安価なこと。個人向けで月額945円を予定している。法人向けは月額1600円。同社の従来サービスから,月800円引き下げる。通話料金は固定電話相手が全国一律3分6.8円の見込み。

 同社自身や日本テレコム,KDDIなどが取り組むドライカッパー利用の直加入電話と,ビルCHOKKAとの違いは,ユーザーの建物から東西NTT収容局までの回線。従来の直加入サービスはメタル線を使うのに対し,ビルCHOKKAは光ファイバを利用する。ユーザーの建物に光ファイバを引き込み,平成電電の装置で建物内の構内交換機やメタル線の配線盤と接続する。

 ビルCHOKKAのサービスを利用するには,ビル内やマンション内で数十回線を契約する必要がある。平成電電が東西NTTから光ファイバを借りるこのコストを複数の回線で割り勘することで,安価な基本料金を実現しているからだ。

 ビルCHOKKAのオプションとして,インターネットの接続サービスも提供する予定。下り最大50Mビット/秒のVDSLが個人が月2625円,法人が月3990円を予定している。下り最大100Mビット/秒のLANと接続サービスも用意する。

 なお,ユーザーの構内に平成電電が設置する装置は同社と韓国サムスン電子で共同開発した。平成電電によると「仕組みについてビジネスモデル特許を申請中」だという。ビルCHOKKAは「NTTによる光化が進む中,ドライ・カッパーとして利用するメタル線が減少していくことを見据えた」(平成電電)取り組みだという。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション