ソフトバンクは12月24日,グループを代表する新しい企業イメージ戦略を発表した。ロゴマークを刷新し,社名ロゴも「SOFTBANK」から「SoftBank」へと変えた(写真右)。 「ソフトバンクという現社名も無くして一から何度も考えた結果,原点に立ち戻ることにした」(孫正義社長)。ロゴは孫社長が尊敬する坂本竜馬が率いた海援隊の旗をイメージし,同社のカラーである黄色に染めあげた。同日,孫社長が福岡市内で会見。買収した「福岡ダイエーホークス」の新球団名「福岡ソフトバンクホークス」とともに明らかにした。

 新ロゴや社名ロゴはグループを代表するイメージとして利用していき,「携帯電話事業に参入できた際には使いたい」(孫社長)と披露したものの,日本テレコムなど既存各社への適用については「それぞれの取引先などもある。徐々に親和性を高めていきたい」と語るにとどめた。

 ソフトバンクは球団経営への参画によって,大きく二つの効果を狙った。まずはブランド面。

 ソフトバンクは個人向けである「Yahoo! BB」のイメージが強い同社の通信事業のブランド戦略を今年9月から見直し始めていた。ソフトバンクは経済や通信に関心がある層への認知度は高いものの,一般への認知度は高いとは言えなかった。そこで球団を保有し,この“弱い”ブランド力の向上を図る。また認知度を高めることで,人材の確保を有利に進めたいという考えもある。

 もう一つがコンテンツとしての活用。「試合を約30台のライブ・カメラで生中継し,ユーザーがインターネットから自由なアングルを選択できるようにする」(孫社長)。このほか「試合を見ているファンが意見をリアルタイムに投票できる仕組みを導入したい」(同)という。また,ヤフーなどを利用して試合開始の1時間前までチケットをオンライン購入できるようにする。

 なお,新しい球団名には地元やファンに愛着の深い「福岡」と「ホークス」を残した。マスコットも従来のデザインを基本的に継承する(写真下)。球団経営への参画は,同日開催されたプロ野球球団のオーナー会議で承認された。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション